不器用な愛を刻む
「な、何でそんな…急に……。」
「お前は目ェ離すとすぐに誰かに取られそうだからよ。
…今のうちに身固めとこうと思ってな。」
「で、でも……
本当に、私でいいんですか…?」
「お前がいいんだよ。」
「っ……ずっと一緒にいて、良いんですよね?」
「あぁ。
むしろ、俺がお前に付き纏ってやる。」
「ふふ……そんなの、私にはものすごい幸せですよ。」
「そりゃ奇遇だな。
…俺も人生で1番の幸せだよ。」
「………嬉しいです。
本当に、信じられないほど幸せです…。」
「………つまり?」
「っ……善様と……結婚させてください……。」
「ククッ……そうこなくっちゃな。」
善は 椿を抱きしめたまま
笑みを浮かべて
そう囁く。
そして
彼女の顔を覗き込んで
そのまま互いに
唇を寄せた───。
「お前は俺のだ。
…絶対、忘れんなよ。」
「はい…もちろんです。」
「……離してやんねェからな。」
───覚悟しとけ。
そう呟いて
善は椿に
深いキスを送った───。