天使の梯子
運命の日 ー まさかの再会 ー
思えばその日は朝からついていなかった。
洗濯機の排水溝が詰まって床が水浸しになるし、冷蔵庫から卵を取り出そうと思ったらケースごと落として全部ダメになった。
塩を使おうと思ったら、蓋が外れて床に全部ぶちまけてしまった。
それを掃除していたら、棚から砂糖の入れ物まで落ちてきて大変なことになった。
テレビで見た占いは、最下位だった。
『思わぬハプニングに巻き込まれ、波乱尽くしの一日となるでしょう。できるなら家から出ないほうがいいでしょう』
たしかに警鐘は鳴っていた。そんな忠告を無視して、私は外に出た。
所詮、占い。私はそういった類のものはあまり信じない質だ。
例えそれが巷でよく当たると評判になっている番組の占いだったとしても、このときまで私はそれをひとつも信用していなかった。
そして出先でも、占い通り私の不運は続いていく。
その日は仕事が休みで、久しぶりの買い物にウキウキで出掛けたのに、出先で靴のヒールが折れて買う予定じゃなかった靴を買うはめになった。
冬物がセールになってて、気に入ったデザインの服があったのに私のサイズだけ売り切れてて買えなかった。
飲み物を買おうとしたら人がぶつかってきてお金をぶちまけた。
なんだかついてないなと思って帰ろうと思ったら、電車が止まっていて足止めをくってしまった。
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