天使の梯子
そうしたら、俺の中にある暎仁への醜い感情はなくなるんだろうか。
この暗い、腹が捩れるような苦しみはなくなるんだろうか。
そんな想いは、俺を信用しきってすすめられるがままにお酒を飲んでいるかわいい楓ちゃんを見てますます強くなった。
この子は暎仁に抱かれて、どんな顔をするんだろうか。
五年も付き合ってるのに、あの頃と変わらない純粋さを持ったままの楓ちゃんの乱れる姿を想像して俺は興奮した。
そして酔いつぶれた楓ちゃんを、送っていく振りをしてホテルに連れ込んだ。
送っていくと言った俺を、友人の誰も疑わなかった。
まさか俺が、親友の彼女に手を出すなんて思わなかったんだろう。
ホテルに入って、ベッドの上に酔いつぶれた楓ちゃんの身体を寝かせて、馬乗りになってジャケットを脱ぐ。
「……ごめんね、楓ちゃん」
そう呟いて、俺は楓ちゃんの服を脱がせた。
楓ちゃんの身体は、とても綺麗だった。露になっていく肌は真っ白で、シミ一つない。