天使の梯子
「……殺されるかもな」
それは冗談にしても、半殺しくらいは覚悟しといたほうがいいな。
そう思いつつ俺は暎仁の家に向かって、現在に至る。
暎仁に殴られたところをなでて、こんなもんで済んで本当に運がよかったと思う。
「楓ちゃんが止めなかったら、本当に殺されてたかもな」
悪魔のような顔をした暎仁を思い出して、身震いする。
殺す、と言ったときの瞳も本気だったし、本当にこんなもんで済んでラッキーだった。
本当に殺されるって思ったけど、それぐらいのこと仕出かしたんだから仕方ない。
しかし、本当に楓ちゃんはいい子すぎる。
こんな俺のことを心配してくれて、涙が出そうだった。