天使の梯子
「俺はすぐにでもしたいけど、楓がダメっていうから」
ぎゅうっと楓を抱きしめて、不満げな俺を見て直哉が呆れたように笑った。
「本当、大変だね……楓ちゃん。暎仁って、一に楓ちゃん、二に楓ちゃん、三四も楓ちゃんで、五に仕事って感じだから」
驚いたように俺を見る楓に、俺も真顔でうなずく。
「楓のこと考えてないことなんて、ほとんどない。心マしてても、挿管しながらでも楓のこと考えてる」
そう言ったら楓がますます目を見開いてから、困った顔で俺を見上げてくる。
「え、そこは仕事に集中してください」
そんな顔もかわいくて、ぎゅうぎゅう楓を抱きしめる俺を見て、また直哉が苦笑いした。