天使の梯子

「い、今からお仕事でしょ?」


頬を染めて、潤んだ瞳でそう言う楓は誘ってるとしか思えないほどかわいい。


ヤバイ、ものすごく押し倒したい。


でも、楓は絶対にこんな場所でそんなことさせてくれるわけがないから我慢する。


「がんばって仕事するから、もうちょっとだけ」


頬を撫でてキスをして、楓の顔をじっと見る。


色が白くて、目がすごく綺麗だ。出会った頃からそれなりの月日が経っているのに、楓は少しも変わらない。


自分のことより人のことを優先して、損得勘定なんて全然ない。


自分がどんなに傷ついても、そんなことは二の次で、強くて優しくて純粋な、俺の最愛の人。


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