天使の梯子

「明日帰ったらいっぱいかわいがってあげるから、お利口に待っててね」


名残惜しいと思いつつ、もう一度抱きしめてから楓の身体を離した俺を楓は真っ赤な顔で睨んでいる。


ああ、ほんとにかわいい。


「もう。だから身体が持たないって言ってるのに。……暎仁くん、お仕事頑張ってね」


そう言いつつ、最後はかわいい笑顔でそう言ってくれる楓が愛おしい。


「うん、じゃ、行ってきます」


「いってらっしゃい」


笑顔で手を振ってくれる楓を見て、やっぱり早く結婚したいとなと思う。


明日、ご両親都合がいいといいな。


そう思いながら俺は医局を出て、救急搬入口に走った。
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