天使の梯子
「もう諏佐さんには、関係ありません」
震える声でそう言った私を、諏佐さんは頬に手を伸ばして強引に自分のほうに向かせる。
「楓。それ、俺の顔を見て言って」
怒ったようなその表情に、言葉が出てこない。
それでもなんとか言葉を絞り出そうとする私を、諏佐さんはじっと見てる。
「……もう、関係……な……っ」
必死に口にした言葉は、最後まで紡ぐことはできなかった。諏佐さんが、私の唇を塞いだからだ。
「やっ」
抵抗しようとする私の手を簡単に押さえつけて、諏佐さんはキスをやめようとしない。
「楓、本当のこと言って。でないと……」
聞いたこともない低い声に身の危険を感じた私は、つい本当のことを口にしてしまう。