天使の梯子

私はもう……この人に愛される資格はないのだから。


「私は、あなたともう、別れ……っ」


その言葉はやっぱり最後まで言えなかった。諏佐さんの唇が私の言葉を飲み込むように重なる。


押し返そうとした腕が、玄関のドアに押しつけられてガチャンと音が響いた。


「んっ!」


舌が入ってきて、驚いて声が出た。抵抗する腕を片手で押さえられて、首を振って逃げようとすると顎を掴まれる。


その舌を押し返そうとするけど、逆に絡め取られて逃げようとしても逃げ場がない。


押さえつけられてる腕をどうにかしようとするけど、どうにもならなくて目尻に涙が浮かぶ。


「楓……」


耳元で名前を呼ばれてピクッと反応してしまう身体を見て諏佐さんは低い声を漏らして笑った。


「相変わらず耳、弱いんだ」


性感帯がそう変わるか、と思いつつ諏佐さんの顔を睨みつける。


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