天使の梯子
「好きだよ、楓。身体は正直だな。楓の身体は、俺に触られて喜んでる」
耳元で囁かれてかああっと身体が熱くなった。だけど、それは紛れもない事実だ。
それになんか、前と触り方が違うし。ねちっこいというかしつこいというか……。
「楓、俺は……もう楓のこと手離すつもりはないから」
「え?どういう……」
戸惑った声を出す私を見て、諏佐さんは笑った。
顔は笑ってるけど、目が笑ってないその顔に私の頭の中で警鐘が鳴り響く。
まずいと思って逃げようと身体を翻した私の腰を、諏佐さんが引寄せる。
信じられない気持ちで諏佐さんを振り返って、服を脱ぎ捨てている諏佐さんを見て青くなる。
嘘、でしょう。本当に?
「わかってないな、楓は。本当に、なにもわかってない」
青くなった私を見て、裸になった諏佐さんが微笑んだ。
その恐ろしいほどの凄みのある笑みに、警鐘は最大級に鳴り響いた。
逃れようとした私の腕を掴んで、身体を返されて息が止まりそうなほどきつく抱きしめられる。
諏佐さんがそのまま私をベッドに押さえつけて、強引に身体を押し進めてきた。
「ひ……ぁっ!」
いきなり身体を貫かれて、悲鳴に似た声が漏れる。