天使の梯子

「その人、看護師さんだって!」


あ、ちょっと……そんなこと言われると、救急隊のかたの目が、ギラギラしちゃってるんですけど。


「看護師さん!?」


「看護師さんなんですね!?」


そんなこと確認してなくていいから早く病院に連れてってあげてと思うけど、救命士さんは必死な顔で私の腕を掴む。


「手伝ってくれますよね!?」


キラキラした顔でそう言われたら断れるわけもなく、私は仕方なくその救急車に乗り込んだ。


「搬送先、浅井総合病院が受け入れてくれるそうです」


「珍しいな、あそこなかなか急患とってくれないのに」


「よその救命の先生が来てるみたいっすよ」


心臓マッサージをしながらそんな話をしている救急隊の人たちの声を聞きながら、私は点滴のルート(静脈注射)をとる。


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