天使の梯子
ここまできたら、いい加減に覚悟を決めなきゃ。直哉さんだって相当な覚悟を持ってここに来たはずだ。
前に進まなきゃいけないときが来たんだ。それにこの人には、あのことを聞く権利がある。
でも……。
「全部話すので、とりあえず服を着たいのですが」
「却下」
なんでよ、もう逃げないのに。私、なにもおかしなことを言っていないと思うんだけど。
不服そうな顔をする私に諏佐さんがクスクスと笑う。
「そんな顔する楓は初めてだな。本当にかわいくてしょうがない」
「ま、真面目に話がしたいのに」
唇を尖らせる私にチュッとキスした諏佐さんが、肩をすくめる。