天使の梯子
「俺だって至って真面目だよ。ほら、こっちにおいで」
諏佐さんは私の手を引いて、ソファに座ると自分の足の間に私を座らせて後ろからぎゅうっと抱きしめてくる。
「この体勢で聞く。異論は認めない」
「ほ、本当に真面目に聞く気ありますか!?」
振り返って疑いの目を向ける私に、諏佐さんは大真面目な顔でうなずく。
「ある。でもこれがいい。少しでも楓から離れるのが嫌だ。触れてたい」
一際強く抱きしめられて、頬を擦り寄せられてすごく驚く。そんなこと初めて言われた。
本当は四年前も、こうしたいと思ってたんだろうか。
とりあえずこうなったら多分、譲ってはくれないことを昨日と今日で学んだ私は、あきらめて話し出した。
四年前に私がした選択を……。