天使の梯子
「わかってるよ。本当に、ごめん……。もう絶対に楓にそんな想いさせないから。だから、俺と結婚しよう」
いきなりすぎるその言葉に驚きすぎて、私は固まってしまった。え、今……なんて言った? 聞き間違いじゃないよね。
「え、結婚、て……」
目を見開いたまま諏佐さんを見上げると、彼は私の好きなあの瞳で私を見てる。その瞳は、あの頃よりずっと優しい色をしていた。
「結婚しよう。ずっとそういう相手は、楓しかいないと思ってた。それに……」
ちょっと待ってて、と言って立ち上がった諏佐さんが、クローゼットの扉を開けて有名なブランドの紙袋を取り出す。
その袋の中から白い包装紙に赤いリボンが巻かれた四角い箱を取り出して、私に差し出す。