天使の梯子
「だから、楓。俺と子作りしよっか」
「え、なっ!? 泣きそうになったのに」
なんかいろいろガックリなんですけど、素直になった暎仁くんはちょっと大変かもしれない。
「俺、もう楓のこと泣かせたくないし。ね、しよ」
そう言ってキスしようとする暎仁くんの顔を押さえる。もう、せっかくなんか感動してたのに台無しだし。
「プ、プロポーズの返事してないもん。それにこんな格好でプロポーズとか、認めない」
うれしかったけど、うれしかったけど、なんかこのまま暎仁くんの言いようにされるのは腹が立つ。
四年前ならこんなことは言えなかったし思いもしなかったけど、なんとなくこのまま暎仁くんの言いなりになるのは危ない気がする。