キミは僕に好きとは言わない


どうしよう。嬉しすぎて泣いちゃいそうだよ。


嘘じゃない。

夢じゃない。


本当に、先輩はわたしを好きになってくれたんだ。

憧れの萩原先輩が、わたしみたいな平凡女を好きだなんて………。


零れそうになる涙を堪えていると、先輩がそっと手を重ねてきた。


「なずなちゃん」

「は、はい………!」


「俺と、付き合ってください」


ーーードキン


心臓が大きく音を奏でた。

……聞かれなくても答えはひとつだよ。


好き。大好き。


出会った時から、ずっと先輩が好きだった。

彼女になれるわけがないと思いながらも、諦めたくなくて、今日まで頑張ってきたんだよ。

ようやく届いた。未来を変えられたんだ。


< 131 / 289 >

この作品をシェア

pagetop