キミは僕に好きとは言わない
どうしよう。嬉しすぎて泣いちゃいそうだよ。
嘘じゃない。
夢じゃない。
本当に、先輩はわたしを好きになってくれたんだ。
憧れの萩原先輩が、わたしみたいな平凡女を好きだなんて………。
零れそうになる涙を堪えていると、先輩がそっと手を重ねてきた。
「なずなちゃん」
「は、はい………!」
「俺と、付き合ってください」
ーーードキン
心臓が大きく音を奏でた。
……聞かれなくても答えはひとつだよ。
好き。大好き。
出会った時から、ずっと先輩が好きだった。
彼女になれるわけがないと思いながらも、諦めたくなくて、今日まで頑張ってきたんだよ。
ようやく届いた。未来を変えられたんだ。