キミは僕に好きとは言わない


先輩の彼女になって、1番最初のメッセージ。

わわっ、どうしよう……変に緊張してきちゃった。


手汗をかきそう。なんてアホなことを考えながら、急いでベッドから起き上がり、恐る恐るメッセージを開いた。

えーっと、なになに……。


「今日はなずなちゃんに会えて嬉しかったよ。
急にキスしたいなんて言ってごめんね。びっりしたかな?
でも、俺は結構余裕ないから覚悟しててよね。

それと、もしよかったら夏休み明けに2人で水族館に行かない?」


「ーーー今度は、彼氏と彼女として」


えっ?

先輩からのメッセージを読んでいる途中、ふいに聞こえた誰かの声。

バッと弾かれるように振り向くと、


「と、桃矢!?」


平然とした顔で、桃矢が画面を覗き込んでいた。


< 138 / 289 >

この作品をシェア

pagetop