キミは僕に好きとは言わない


先輩、かっこよすぎです………。

今日は何度もドキドキさせられて、心臓が爆発してしまいそう。


たぶん先輩は、わたしをドキドキさせる天才なんだ。


「そうですか………。萩原先輩の気持ちはよくわかりました。でも、なずなちゃんを泣かせたら許しませんからね?」

「うん、わかってる」


そう言って、先輩は小さく笑った。


まったく……先輩みたいな優しい人が、わたしを泣かせるわけないのに。

真剣な2人を見て、心の中でぽつりと言葉を落とす。


だって、先輩と一緒にいられるだけで、こんなに幸せなんだもん。

泣く暇なんて少しもないよ。


「桃矢も先輩も、そんなことよりご飯食べましょうよ!昼休み終わっちゃいますよ?」

「はい」

「そうだね」


なんとか気まずい雰囲気を吹き飛ばして、3人でご飯を食べているうちに………。

あっという間に時間は過ぎていった。




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