キミは僕に好きとは言わない
「どこにいたって、必ず駆けつけます」
「蓮せんぱーい!一緒に帰りましょー!」
………………って、あれ。
なんだ、先輩いないじゃん。
放課後、桃矢の目を盗んで、私はこっそりと3年生の教室に来ていた。
もちろん先輩と一緒に帰ろうと思ったからなんだけど、肝心の先輩が見当たらない。
先に帰っちゃったのかな…………。
メッセージいれておけばよかったかも、残念。
「ーーーねぇ、そこの1年生」
と、そのとき。
「あなた、戸松なずなちゃんよね?」
ガクリと肩を落としていたわたしの後ろに、3人の派手めな先輩たちが現れた。
なんとなく蓮先輩の周りで見たことがあるような………ないような。
そんな印象の人たちだった。