キミは僕に好きとは言わない


もちろん図書室の片付けをするくらいなら合コンに行きたいし、この機会を逃せば王子様とお近づきになれるチャンスはないかもしれない。


桃矢のことなんか無視すればいいってわかってるのに、どうも気が進まなかった。


「………ごめん蘭。合コンめちゃくちゃ行きたいけどやっぱり桃矢のこと1人にできないや」


桃矢のことだからわたし以外の人に頼めなかったんだろうな。

ヘタレの上にコミュ力すら皆無なんだもん。


図書室の片付けだって先生に押し付けられたんだろうし、桃矢を差し置いて自分だけ楽しむなんてわたしにはできない。


ヘタレな桃矢を助けてあげられるのはわたしだけだってわかってるから。


「そう言うと思った。また今度セッティングしてあげるから今日は片付け頑張んな」

「ありがとう。そうする」


「じゃあね〜」と手を振る蘭にわたしもひらひらと手を振り返した。


はぁ………。

蘭にはかっこつけてああ言ったものの、やっぱり行きたかったよ〜!!!


ガックリと力が抜けて肩から鞄がずり落ちた。

この怒りを桃矢にぶつけてやる!


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