キミは僕に好きとは言わない
「なら、俺もお前らに教育してやろうか?」
「は?」
「二度となずなに手ェ出せないよう、特別にみっちり叩き込んでやるよ………」
「っ、」
獲物を刺すような鋭い眼差しに、わたしも思わず体が震えた。
こんなに怒ってる桃矢……初めて見た……。
いつもヘラヘラ笑ってるか、ビクビク怯えてるかのどっちかなのに。
「っ、……あっ………」
わたしを殴ろうとしたリーダー格の先輩も、その周りにいた先輩たちも、一瞬にして涙を浮かべ同じように震えている。
そんな先輩たちに追い討ちをかけるよう、桃矢がまた口を開いた。
「またなずなを傷つけるようなことしたら、女だからって容赦しないからな……?」
トドメの一撃。
そうはっきり言えるほど、放った言葉は壮絶な効果が籠っていた。