キミは僕に好きとは言わない
「俺のことだけ考えてよ」
幼なじみなんて恋愛対象に入るわけがない。
ずっとそう思っていた。
わたしの幼なじみは、地味でヘタレで弱虫などうしようもないやつ。
マンガの世界にいるような、イケメンで優しい幼なじみとは違うんだよ。
………違うって、わかってるのに。
どうしてこんなにも気になってしまうんだろう。
一度守ってもらったくらいですぐドキドキするなんて、わたしは相変わらず単純だ。
これじゃあ恋多き女になるのも、時間の問題かもしれない。
わたしの理想のタイプは素敵な王子様なのに、おかしいよね。
王子様とはかけ離れた存在の桃矢にドキドキしてしまうのはどうして?
熱く焼けそうなこの気持ちは、いったい何て呼ぶんだろうーーーー。