キミは僕に好きとは言わない
だいたい桃矢がヘタレだから先生に片付けなんか押し付けられるんだよ。
頼まれたら断れない不器用な性格してるんだもん。
そこが桃矢のいいとこでもあるんだろうけど、その優しさにわたしを巻き込まないでほしい。
ぶつぶつと文句を繰り返して、人通りが減った廊下を歩いて進む。
ようやく見えてきた図書室の扉には『休館日』と書かれた看板がぶら下がっていた。
うっわぁ……今日図書室休みだったんだ。
心置きなく片付けできますよって感じ。
更に憂鬱な気分が増した。
………にしてもなんで図書室の電気ついてないわけ?
図書室前に着いたはいいものの、中は真っ暗で明かり1つついていない。
「桃矢、いるのー?」
ドアノブをガチャリと回して、真っ暗な図書室に足を踏み入れた途端──────。
「うわぁあああ………!」
謎の悲鳴と共にドシーン!と、大きな雑音が耳の奥まで響いた。