キミは僕に好きとは言わない
憧れだった蓮先輩と2人きりでデートしてるのに………モヤモヤしてばかりでわたしも上手く笑えない。
それに、先輩はついこの間まで、桃矢の話でも楽しそうに聞いてくれてたんだもん。
昼休みだって一緒にご飯を食べたし、雰囲気が変わったのは今日が初めてだ。
もしかしたら、嫌なのを我慢してわたしに付き合ってくれていたのかもしれない。
ヤキモチと言えば聞こえはいいけど、これは少し違うような気がする。
蓮先輩は人の嘘や考えをすぐに見抜くことができるから、バカなわたしが考えてることも全部お見通しなんだろう。
わたし自身でさえ整理できていない問題も、先輩は簡単に答えに辿り着いていると思う。
「はぁ……」
隣に誰もいないだけで、こんなに考え込んじゃうなんて。
なんだかアホらしくなってきちゃった。