キミは僕に好きとは言わない
「は………?」
「本当に彼氏しか興味ないなら、そんな顔しないよね?」
見知らぬただのナンパ男なのに、言われた言葉が胸に刺さる。
わたし、知らない人から見てもわかるほど、つまらない顔してたんだ………?
すごく楽しくて、すごく幸せだったはずなのに。
「…………」
何も言えずに黙り込んだ。
すると男の人は、わたしの腕を掴んで「ほら行こうよ」と、強引に立ち上がらせた。
「っ………」
背筋にゾッと寒気が走った。
知らない人の手って、こんなに冷たくて気持ち悪いんだ……。
早く逃げなきゃ。蓮先輩のところに行かなきゃ。
「離っ…………」
「汚ねぇ手でこいつに触んな!」