キミは僕に好きとは言わない
なっ、なんの音!?
手探りで壁から電気のスイッチを探してようやく明かりをつけると、なんとも情け無い姿が目に映った。
「…………なに遊んでんの」
「なっ、なずなちゃん!」
図書室の中では大量の本を床ぶち撒けたであろう犯人の桃矢が「痛てて」と、床に尻餅をついていた。
うっわぁ……ダサすぎ。
「もー、電気もつけないでなに1人で暴れてんのよ」
情け無い姿で床に転がる幼なじみを横目に奥へと進んでいくと、他にも床に散らばった本がところどころにある。
もしかして全部桃矢がやったの?
この短時間に何をどうすればこうも散らかせるのだろうか。
自分の部屋は嫌味なくらい綺麗なくせに、こういうときに限って要領の悪さを発揮しなくてもいいじゃない。
「すっ、すすす、すみません………!電気のスイッチがなかなか見つからなくて………」
見つからないって………ドアのすぐ横の壁にあるじゃん……。
呆れて文句を言う気にもならない。
「人に手伝い頼んだなら先に言ってよね?危なく帰るとこだったんだから」
「すみません……」
「まったく………早く終わらせて帰ろう」
「はっ、はい!」