キミは僕に好きとは言わない
桃矢と先輩が一緒にいるのが嫌で。
勝手に言い争って欲しくなくて。
俯きがちな瞳から涙が溢れてしまいそう。
もう、限界だよ。
「なずなちゃんを傷つけたくせによく言ーーーー」
「もういいでしょ!!」
耐えきれなくなったわたしが、荒々しく声をあげた。
驚く2人の視線がわたしの元に集まってきて、見開いたまま固まっている。
「これ以上、わたしと先輩の邪魔をしないで…………!」
気持ちがぐちゃぐちゃで、どうしたらいいのかわからない。
わたしは蓮先輩のことが大好きなのに、桃矢が邪魔ばかりするからおかしくなりそう。
「なずなちゃ……」
「行きましょう先輩」
桃矢の言葉を遮って、強引に先輩の手を引いた。