キミは僕に好きとは言わない


キッと睨みつけてから「桃矢はもうついて来ないでよね!」と、吐き捨てて歩き出す。

桃矢は何も言わないまま俯いていたけど、心配なんかしてやるもんか。

1人で反省していればいい。



「桃矢くんのこと置いてっちゃっていいの?」


後ろから蓮先輩の声が飛んでくる。


「いいんです!」


わたしは強気でそう返した。


助けてくれたことには感謝してるけど、デートの邪魔をするなら話は別!

ただの幼なじみがわたしの彼氏に文句つけないでよね!


普通、面と向かって「別れてくださいよ」なんて言います?


言葉遣いは丁寧なくせして一般常識がなってない!!

これだから万年赤点男は嫌なんだ。


一瞬でも好きかもって思ったわたしがバカみたいじゃん。


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