キミは僕に好きとは言わない
残りのジュースをぐいっと飲み干してから、力のない瞳をゆらゆらと揺らす。
すると、
「………なずなちゃんはさ、なんで俺のことが好きになったの? 」
先輩が突然変なことを言い出した。
「へっ!?」
驚いた反動で、飲み終えた缶に凹みができる。
目を見張りながら先輩を見ると、なぜかくすくすと笑っていて。
わたしは恥ずかしげに頬を擦った。
「そんな驚いた顔しないでよ。そう言えば聞いたことなかったと思ってさ」
「だ、だって急なんですもん!改めて聞かれると恥ずかしいっていうか………」
「教えてよ。なずなちゃんの口から、ちゃんと聞きたい」
熱のこもった先輩の視線。
ふざけて言っているわけじゃないんだと、すぐにわかった。