キミは僕に好きとは言わない
「バカ………!」
「…………で、杉浦のこと意識しすぎてたら、テストで赤点取っちゃったんだ?」
「そ、そうです………」
蓮先輩と別れてから数日。
運悪く重なったテストのせいで、わたしの気分は最悪だ。
渡された赤点通知をぐしゃぐしゃになるほど強く握って、机に突っ伏す。
頭の上からは「どんまい」と、楽しそうに笑う蘭の声が聞こえてきて。
「笑い事じゃないよぉ……」
わたしは半泣き状態で返事をした。
まさか、自分がこれほど情けない人間になるとは思ってもいなかった。
桃矢のことを考えすぎてテスト勉強に集中できず、その結果が赤点。
バカすぎる。
恥ずかしすぎて生きていけない…………。
「まぁ、数学なら杉浦も赤点だろし、2人仲良く補習してきなよ」
「うぐっ……」