キミは僕に好きとは言わない





「出場者が出てきたタイミングで音楽スタートね」

「明日はバッチリ盛り上げてやろーぜ!」


文化祭前日。

野外に作られた特設ステージで、わたしたちのクラスは最終準備の最中だ。


バタバタと忙しい中、わたしは皐月と一緒にステージに風船をくっつけていた。


少しずつステージが彩られていくたび、文化祭への期待と不安で心が揺れる。


明日、このステージで告白する人がいるんだ………。

家族や友達に感謝を伝える人の他に、好きな人に想いを打ち明ける人だって。


わたしも頑張らなきゃ!


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