キミは僕に好きとは言わない
「迷惑ならはっきり言えばよかっただろ!」
そして迎えた文化祭当日。
わたしたちのクラスが主催する告白大会は、予想に反するほどの大盛況だった。
「さぁて次の告白は〜〜!3年2組、本田雪菜さんです!」
ノリの良い司会者の声と共に、会場に集まった生徒たちがワァッ!と、歓声を飛ばす。
「お相手は本日5度目の登場!最近とある後輩と別れたと噂の萩原蓮さんでーす!」
そして、見慣れた光景に驚きもせず、わたしは苦笑いでステージを見ていた。
とある後輩って………もっとこう、何か言い方があったんじゃ………。
「好きです、蓮くん!わたしと付き合ってください!」
「ごめんね、今は誰とも付き合う気ないんだ。でも、キミの気持ち嬉しかったよ」
「きゃあああ!!」
バックで流れる音楽を消し去る勢いで、会場に集まった女の子たちが黄色い歓声を飛ばしている。
振られてしまった相手も「わかりました!」と、満足気にステージを去っていくから、異様すぎる光景にため息が溢れた。