キミは僕に好きとは言わない
「さてさて、次の告白は3年2組、斎藤由香さん!お相手はもちろん萩原蓮さんでーす!」
「きゃああああ!」
ははっ……これで6回目か。
飾りつけ担当だったわたしは、当日にやる仕事がほとんどない。
裏でステージを傍観していたけれど、クラスメイトの視線に耐えきれず、そっと抜け出すことした。
告白大会に人が集まりぎているせいか、校内は少しだけひと気が少ないような気がする。
せっかくの文化祭なのに、出店が寂しいってすごい。
これもやっぱり、蓮先輩の影響なのかな?
告白大会が大盛況なのは、蓮先輩が告白相手として呼ばれているからだ。
感謝を伝えるステージって聞いてたのに、出場者の人ほとんどが蓮先輩への告白で驚いた。
改めて考えると、本当にすごい人と付き合ってたんだなと実感する。
だから、あの場にいたくなかったんだ。
わたしが元カノだって全員に知られてしまったから、集まる視線が怖くて。