キミは僕に好きとは言わない


「出演者たちのステージはこれで終了です。たくさんのご参加ありがとうございました!」


ステージには司会者だけが残り、大会が終わったことを告げている。

桃矢が告白を受け入れなくてよかったと安堵したのもつかの間、司会者がニヤリと笑みを浮かべて言った。


「ではでは、次は飛び入り参加タイムです!今からでも想いを伝えたいと思ったそこのあなた!まだ間に合います。希望者はステージまで来てください〜!」


え!?飛び入り参加タイム!?

身に覚えのないの展開に目を見開いた。


話し合いでそんなこと言ってなかったよね!?

予想以上に盛り上がりすぎたから、企画を続けることにしたのかな………!?


ざわつく観客席では「えー、どうしよう」とか「お前でろよ」とか、たくさんの言葉が飛び交っている。


すると、

「はいっ!わたし杉浦くんに告白したいでーす」


観客席にいた1人の女子生徒が元気よく手を挙げた。

そんな彼女に対抗するように「じゃあ、あたしも!」と、次々に女の子が手を挙げていく。


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