キミは僕に好きとは言わない
「昔っからずっと側にいたのに、俺なんかには見向きもしない。好きって言わなかったら、絶対俺の気持ちに気づかなかっただろ?この鈍感!」
カツカツと足が鳴る。
桃矢が近づいて来てるんだって、それだけでわかった。
余計に上げられなくなった顔を必死に隠して、涙を堪える。
やっぱりダメなんだ。
桃矢はもう、待っててくれなかったんだ。
返事は二の次だって思ってたけど、面と向かって言われたらやっぱり辛いよ。
それでも、最後まで聞かなきゃ……。
自分が蒔いた種なんだから、受け止めてなければいけない。
「………夢ばっかみてるくせに自分勝手で、すぐにふらふら気持ちが揺らぐ恋愛脳なお前を、受け止めてやれるのは俺しかいないだろ」
「え……」