キミは僕に好きとは言わない
こっ、今度はなに!?
いいネタ見つけたみたいな感じでわたしの涙で濡れたブサイクな写真でも撮る気!?
『放課後、夕日に向かって幼なじみを罵倒する女』とか、変な煽りつけられて掲示板に貼ったりするの??
まさにパニック状態とはこのこと。
ふざけた妄想を信じてしまう自分が情けない。
さよならわたしの青春。
2次元の王子様に恋して生きることにしまーーーーーーーー。
「使って」
「………へっ?」
マヌケ面でつい顔を上げてしまうと、視線の先にはハンカチが差し出されていた。
心配そうにわたしの顔を覗き込みながら「大丈夫?」と、優しい萩原先輩の声色が響く。
「ありがとう……ございます……」
その場の空気に流されてハンカチを受け取ってしまったけど、使ってもいいのかな。