キミは僕に好きとは言わない


「あははっ、わたしみたいな平凡女子には雑草みたいは名前がお似合いですよね」


もうここまでくれば自虐ネタに走るしかない。

ぺんぺん草なんて言われるのは昔から慣れっこだ。

ナズナ……いや、ぺんぺん草のヘアピンを堂々と付けちゃうくらいヤケになってる。


「あぁ、そういう意味で言ったわけじゃ………」

「いえいえ、お構いなく。呼び方を変えても結局はただの雑草なのわかってますから」


今更フォローしてくれなくてもいいのに。


せっかく出会えた王子様だったけど、わたしにみたいな雑草女じゃ釣り合わないよね。

合コンに行くときは絶対お近づきになるぞー!って張り切ってたけど、まさかここまで完璧な王子様だとは思わなかったから。


変なところ見られて逆にラッキーじゃない?

諦める理由ができたんだもん。


所詮、王子様はマンガの世界にいるような可愛いお姫様と結ばれる運命なんだもの………。


「雑草だって立派な花なんだよ。ぺんぺん草はあくまで別名」


自虐ネタで笑っているうちに先輩から優しい言葉が返ってきていた。


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