キミは僕に好きとは言わない
「勝手に決めつけないで」
「なずなー、おっはよー。……って、なんつー本読んでるの」
「あ、おはよう蘭」
朝のホームルーム前の登校時間。
いつもより少しだけ早く教室に着いたわたしは、家から持参した本を熟読している最中だ。
「ちょっと勉強しようと思って」
「『男を落とすテクニック100』を読んで勉強?男の?」
「んー、まぁそんなとこかな」
「あっそ」
「やれやれ」と呆れた顔で首を振る蘭を見ながら、頭にはてなマークを浮かばせた。
わたし、何か変なこと言ったかな?
いつもマンガばっかり読んでたから珍しかった?
「んで、一応聞くけど。なんでそんな変な本読んでるわけ?」
前の席にドカッと座って、明らかに嫌そうな顔で聞いてきた。
なんか、ものすごい威圧を感じるよ……。