キミは僕に好きとは言わない


へ……?

今の声って……いや、違うかな。


なんとなく聞き覚えのある声に驚いて教室の入り口を見てみると……。


「きゃっ、萩原先輩!?」


…………萩原先輩!?!?

クラスメイトの黄色い声で確信に変わった。

てゆうか、どっからどう見ても萩原先輩だった。


ーーパチリ


あ、今……目が合った……?


「いたいた、なずなちゃーん!」


目が合ったと思った1秒後、わたしに向かって笑顔で手を振ってくれる萩原先輩。

うそ……先輩がわたしに会いに来てくれるなんて初めてなんだけど……。


「せ、先輩……!どうしたんですか!?」


急いで先輩のところまで駆け寄ったはいいものの、心の準備ができていなくて心臓が痛いくらいドキドキしてる。


どうしよう。顔にご飯粒とかついてないよね?


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