キミは僕に好きとは言わない


「ほら、もうすぐ夏休みだろ?だからなずなちゃんをデートに誘いに来たんだ」

「デッ!?」


デート!?

先輩が、わたしを………??


「母さんからフラワーガーデンのチケット貰ったんだけど、よかったら一緒にどうかな?」

「っ……」


これは夢?

それとも、わたしの都合のいい妄想?

まさか先輩からデートに誘ってもらえる日がくるなんて…………。


「本当によかったらなんだけど……」

「いいい行きます! 行かせてください!」


食い気味に先輩に返事を返した。

一瞬驚いた顔をされたけど、すぐに「よかった」と、笑ってくれた。


そしてその笑顔にハートを射抜かれたのは言うまでもない。

はぁ……今の一瞬でまた好きになっちゃったよ。


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