キミは僕に好きとは言わない
「なにナチュラルに居座ってんの!?部屋から出てけって意味だからね!?」
そんな変なボケ求めてないし!
てゆうか、下着姿の女の子を前にして平然としていられる桃矢の精神大丈夫!?
わたしが下着姿で部屋にいるというのに、目の前に立つ桃矢は顔色ひとつ変えない。
変えるどころかにっこりと微笑んで……。
「ひゃあああ!?ちょっと、こっち来ないでよ!?」
無言のまま、わたしに近づいてきた。
えっ。まって、なに!?
動くこともできずに、近づいてくる桃矢を見上げた。
前髪の隙間からのぞく瞳は笑っているのに、なぜか背筋がゾッとする
逃げるなって言われたような気がした。
「なずなちゃん……」
「っ………!?」
いつの間にか、桃矢との距離は数センチにまで縮まっていた。
どうしよう。どうしよう……。
逃げたいのに、逃げられない。
「震えてるんですか?……可愛い」