キミは僕に好きとは言わない
ーーードキン
や、やだ……なんでドキドキしてるんだろう。
こんな薄着でいるせい?恥ずかしくてドキドキしてる?
体、熱いよ……。
わたしがこんなにドキドキしているにも関わらず、桃矢はどんどん迫ってくる。
そして……
「動かないでくださいね……?」
と、桃矢の指先が頬のあたりまで伸びてきた。
「んっ……!」
驚いて思わず目を閉じる。
これ以上、桃矢の顔を見ていられなかったから。
ドクドクと激しく心臓が揺れている。
目を閉じていても桃矢が近くにとよくわかる。
動かないでって、なにするつもり?
もしかして、もしかしちゃう………?
「はい、もういいですよ」
「えっ、」