きみに触れられない
「ごめんね。大丈夫?」
慌てて立ち上がると、綾芽ちゃんは心配そうな顔で私を見ていた。
「こっちが聞いてるんだけど」
「あ、私は大丈夫だよ。ありがとう」
ごめんね、と笑って謝る。
「嘘」
綾芽ちゃんはその瞳を鋭くした。
そして優しく私の両頬を包み込んだ。
「え…?」
「ミサ、泣いてる」
何があったの、と綾芽ちゃんは穏やかな声で言う。
「教えてよ。何かあったんでしょ?」
きっといつもなら、『大丈夫だよ。何でもないよ』と笑ってその手を振りほどいてしまうだろう。
だけど、今日は、今日だけは。
「少し、甘えてもいい…?」
その優しさに、溺れさせて。
*
「へえ、そうだったんだ」
屋上へと続く階段の一番下に座って、綾芽ちゃんは話を聞いてくれた。
将来のことで悩んでいること、それを知り合いに言ったら泣いてしまったことを伝えた。
慌てて立ち上がると、綾芽ちゃんは心配そうな顔で私を見ていた。
「こっちが聞いてるんだけど」
「あ、私は大丈夫だよ。ありがとう」
ごめんね、と笑って謝る。
「嘘」
綾芽ちゃんはその瞳を鋭くした。
そして優しく私の両頬を包み込んだ。
「え…?」
「ミサ、泣いてる」
何があったの、と綾芽ちゃんは穏やかな声で言う。
「教えてよ。何かあったんでしょ?」
きっといつもなら、『大丈夫だよ。何でもないよ』と笑ってその手を振りほどいてしまうだろう。
だけど、今日は、今日だけは。
「少し、甘えてもいい…?」
その優しさに、溺れさせて。
*
「へえ、そうだったんだ」
屋上へと続く階段の一番下に座って、綾芽ちゃんは話を聞いてくれた。
将来のことで悩んでいること、それを知り合いに言ったら泣いてしまったことを伝えた。