きみに触れられない
話を聞けばどうやらミサは屋上にいるらしい。
俺たちは2人で階段を登った。
屋上の扉をゆっくり押し上げると光が溢れて思わず目を細めた。
その眩しさにようやく慣れたところで、ミサの姿を探した。
ミサはすぐに見つかった。
なんだ、ミサ、1人でいるのか。
ミサが彼氏らしき人物と一緒にいないことに少しほっとして胸を撫で下ろす。
けれど川島さんの表情は硬いままだった。
「どうした?」
「ミサの様子が、可笑しいの」
「え?」
俺はもう一度ミサを見た。
ミサはいたって普通だった。
1人で弁当を食べているだけ。
ただ、それだけだ。
少しおかしいと思うのは、その表情がすごく楽しそうだというくらいで。
__そんなにミサは屋上が好きなのか?
そんなことを思ってしまった。
そんな時、俺の制服の裾をくっと川島さんが引っ張った。
川島さんの方を見ると、川島さんの目は不安そうにミサを捉えていた。
ミサの方を見ると、俺は目を見開いた。
ミサは話をしていた。
楽しそうに、嬉しそうに。
だけどミサが見つめる先には誰もいなかった。
俺たちは2人で階段を登った。
屋上の扉をゆっくり押し上げると光が溢れて思わず目を細めた。
その眩しさにようやく慣れたところで、ミサの姿を探した。
ミサはすぐに見つかった。
なんだ、ミサ、1人でいるのか。
ミサが彼氏らしき人物と一緒にいないことに少しほっとして胸を撫で下ろす。
けれど川島さんの表情は硬いままだった。
「どうした?」
「ミサの様子が、可笑しいの」
「え?」
俺はもう一度ミサを見た。
ミサはいたって普通だった。
1人で弁当を食べているだけ。
ただ、それだけだ。
少しおかしいと思うのは、その表情がすごく楽しそうだというくらいで。
__そんなにミサは屋上が好きなのか?
そんなことを思ってしまった。
そんな時、俺の制服の裾をくっと川島さんが引っ張った。
川島さんの方を見ると、川島さんの目は不安そうにミサを捉えていた。
ミサの方を見ると、俺は目を見開いた。
ミサは話をしていた。
楽しそうに、嬉しそうに。
だけどミサが見つめる先には誰もいなかった。