きみに触れられない
「私、戻らなきゃ。用事あったの、忘れてた」
「みーちゃん?!」
声が震えてしまわないように一気にそう言うと、ハルが呼び止める声を振り切って屋上から逃げ出した。
階段を走って駆け降りる。
さっきのハルの笑顔を思い出して、視界が滲んでいく。
あんなに嬉しそうなハルの笑顔が見れたのに、苦しくて、悲しくて、仕方がない。
走って息が上がる。
その苦しさで、胸の苦しさを上書きして誤魔化そうとした。
でも、うまくいかなかった。
痛い。
張り裂けそうなほど、胸が痛い。
「痛いよ……」
心臓に拳を当てるけれど、痛みは収まることを知らない。
悲しみ、苦しみ、切なさ、恋情。いろんな感情が混ざりあってもはや何と呼べば良いのか分からない気持ちが、静かに、けれど確かに、胸に降り積もっていった。
「みーちゃん?!」
声が震えてしまわないように一気にそう言うと、ハルが呼び止める声を振り切って屋上から逃げ出した。
階段を走って駆け降りる。
さっきのハルの笑顔を思い出して、視界が滲んでいく。
あんなに嬉しそうなハルの笑顔が見れたのに、苦しくて、悲しくて、仕方がない。
走って息が上がる。
その苦しさで、胸の苦しさを上書きして誤魔化そうとした。
でも、うまくいかなかった。
痛い。
張り裂けそうなほど、胸が痛い。
「痛いよ……」
心臓に拳を当てるけれど、痛みは収まることを知らない。
悲しみ、苦しみ、切なさ、恋情。いろんな感情が混ざりあってもはや何と呼べば良いのか分からない気持ちが、静かに、けれど確かに、胸に降り積もっていった。