きみに触れられない
5限目終了を告げるチャイムが鳴り響き、廊下からはほかのクラスの生徒の楽しそうな声が聞こえてくる。
けれど私のクラスはチャイムが鳴り響いても重い沈黙が居座っていた。
息をつくことすらはばかるような、そんな重い空気が流れていた。
誰も楽しそうな声を発することはなかった。
みんながカナの様子を見ていた。
何か声をかけようと思うのだけど、結局なんと言ったらいいのか分からなくて諦める。
私だけじゃない、クラス中がそうだった。
するとカナはいきなり立ち上がった。
それからガラリと大きな音を立ててドアを開けると教室を後にした。
ぴしゃりとドアが閉まって、教室はようやく息をした。
「奏人、どうしたんだろうな」
「ああ…あいつがあんなに取り乱すなんて」
クラス中がカナの話題でもちきりだった。
けれどそのどれもがカナを批判するものではなくて、心配するものばかりだった。
「奏人にとって何か…こう、すごいことがあったんだろうな」
「すごいことってなんだよ?」
「それは分かんねぇけど」
私はいてもたってもいられなくなって、カナの後を追った。
私に何かできるなんて考えていないけれど、でも、今カナのそばにいないといけないと強くそう思った。
けれど私のクラスはチャイムが鳴り響いても重い沈黙が居座っていた。
息をつくことすらはばかるような、そんな重い空気が流れていた。
誰も楽しそうな声を発することはなかった。
みんながカナの様子を見ていた。
何か声をかけようと思うのだけど、結局なんと言ったらいいのか分からなくて諦める。
私だけじゃない、クラス中がそうだった。
するとカナはいきなり立ち上がった。
それからガラリと大きな音を立ててドアを開けると教室を後にした。
ぴしゃりとドアが閉まって、教室はようやく息をした。
「奏人、どうしたんだろうな」
「ああ…あいつがあんなに取り乱すなんて」
クラス中がカナの話題でもちきりだった。
けれどそのどれもがカナを批判するものではなくて、心配するものばかりだった。
「奏人にとって何か…こう、すごいことがあったんだろうな」
「すごいことってなんだよ?」
「それは分かんねぇけど」
私はいてもたってもいられなくなって、カナの後を追った。
私に何かできるなんて考えていないけれど、でも、今カナのそばにいないといけないと強くそう思った。