きみに触れられない
『みーちゃんが幼なじみクンのことが好きなら、俺、2人のキューピッドになってもいいけど?っていうか、キューピッドになるから!』

そういって笑って、応援して。

『好きだよ』

そんな気持ちを持ってくれていたのに、その気持ちを押し殺して

『諦めたらいけないよ』

なんて私に言う。


「『諦めたらいけないよ』って言ったのは、ハルでしょ!

それなのになんでハルが諦めるの!」


そんなのおかしいよ。


__ああ、ずるい。

ハルはずるい。


『俺と両想いになっても、その子は幸せになれない』


そうやって決めつけて、


『俺がいるせいでその子が幸せになれないのなら、俺はその子の目の届かない場所へ、その子の目の前から、この世から、消え失せるよ』


自分の好きな人を残して消えようとする。


それで残された人がどれだけ傷つくか、どれだけ悲しいか、考えもしないで。


いい加減、腹が立つ。

こんなにハルに振り回されて、こんなに感情を表に出して、それでハルが消えてしまったら、もうどうしようもなく腹が立つ。
< 247 / 274 >

この作品をシェア

pagetop