きみに触れられない
「ハルと出会えてよかった」


あのとき屋上に行ってよかった。

心からそう思うんだよ。


私がハルにできること。

それはきっと、ハルに気持ちを全部伝えること。



「ありがとう」



ハルに出会った日から、私の世界は色づいていった。

私を取り巻く環境は、日に日に鮮やかに染まっていった。

その中で見つけた初めての感情。

ハルに向かう、特別な想い。


大切な気持ち、それに名前を付けるなら。








「ハルが好きだよ」







恋という、しなやかできれいな名前がいい。



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