きみに触れられない
きみがくれたもの
『ハル!』
好きな人の声が聞こえる。
その必死な声に、俺は少し呆れにも似た笑みがこぼれた。
何を俺のためなんかに必死になっているんだ、と。
高校に入って、2年目。
後輩が入ってきて、毎日の練習がすごく楽しかった。
次につながる大事な大会を勝利で終えて、次の試合に向けてさあ頑張ろうという帰り道、夕方のことだった。
向こうから走ってくる車。
そこにボールを追いかけた子供が道に飛び出す。
あ、やばい。
それ以外何も考えていなかった。
考えられなかった。
ただ、咄嗟に、足が動いていた。
手荒いけど子どもを突き飛ばして、最悪の事態を免れたかと思った時だった。
___キキーッ___!
うるさいくらいのブレーキ音と、クラクションの音。
焦って顔をゆがめる運転手の顔がはっきりと見えた。
あ、ダメだ。
そう思った瞬間鳴り響いた、クラッシュ音。
意識はそこで途切れた。
次に意識を取り戻したのは、病院だった。
目の前に広がる白い天井。
__どこだ、ここ?
そう思って体を起こし、ベッドを飛び降りて愕然とする。
俺の目に、ベッドで眠るもう一人の自分がいた。
好きな人の声が聞こえる。
その必死な声に、俺は少し呆れにも似た笑みがこぼれた。
何を俺のためなんかに必死になっているんだ、と。
高校に入って、2年目。
後輩が入ってきて、毎日の練習がすごく楽しかった。
次につながる大事な大会を勝利で終えて、次の試合に向けてさあ頑張ろうという帰り道、夕方のことだった。
向こうから走ってくる車。
そこにボールを追いかけた子供が道に飛び出す。
あ、やばい。
それ以外何も考えていなかった。
考えられなかった。
ただ、咄嗟に、足が動いていた。
手荒いけど子どもを突き飛ばして、最悪の事態を免れたかと思った時だった。
___キキーッ___!
うるさいくらいのブレーキ音と、クラクションの音。
焦って顔をゆがめる運転手の顔がはっきりと見えた。
あ、ダメだ。
そう思った瞬間鳴り響いた、クラッシュ音。
意識はそこで途切れた。
次に意識を取り戻したのは、病院だった。
目の前に広がる白い天井。
__どこだ、ここ?
そう思って体を起こし、ベッドを飛び降りて愕然とする。
俺の目に、ベッドで眠るもう一人の自分がいた。