きみに触れられない
昼休み、お弁当を急いで食べて屋上に向かって走る。
ハルが目を覚ましてからも何度か屋上に向かった。
屋上にいればハルに近づける気がして、ハルの面影を探していた。
けれど夏が終わって秋も過ぎると、寒くてどうしても屋上に行くのが遠ざかっていた。
日頃の運動不足のせいだろう、すぐに息が切れる。
屋上に続く階段で少し息を整えて、それからゆっくり登っていく。
相変わらずジメジメしてほこりっぽくて掃除の手が行き届いていないことを実感させられる。
真っ暗で視界が悪い中、一段一段、踏み外さないように確実に上っていったところに、突然現れた扉。
初めてここに来たときは、天国に続いているんじゃないかなんて考えたんだっけ。
思い出して少し笑ってから、私は取っ手を握って扉を押し開けた。
金属同士がこすれる音を立てながら、扉は開いた。
扉を押した瞬間に漏れ出す光。
眩しくて、思わず目を細める。
__ああ、久しぶりだ、この感覚。
扉をすべて開けるころにはその明るさにも慣れ、外の様子がよく分かった。
屋上は夏場よりは涼しい風が吹き抜けていた。
どこまでも広がる青と開放感が心地いい。
ハルが目を覚ましてからも何度か屋上に向かった。
屋上にいればハルに近づける気がして、ハルの面影を探していた。
けれど夏が終わって秋も過ぎると、寒くてどうしても屋上に行くのが遠ざかっていた。
日頃の運動不足のせいだろう、すぐに息が切れる。
屋上に続く階段で少し息を整えて、それからゆっくり登っていく。
相変わらずジメジメしてほこりっぽくて掃除の手が行き届いていないことを実感させられる。
真っ暗で視界が悪い中、一段一段、踏み外さないように確実に上っていったところに、突然現れた扉。
初めてここに来たときは、天国に続いているんじゃないかなんて考えたんだっけ。
思い出して少し笑ってから、私は取っ手を握って扉を押し開けた。
金属同士がこすれる音を立てながら、扉は開いた。
扉を押した瞬間に漏れ出す光。
眩しくて、思わず目を細める。
__ああ、久しぶりだ、この感覚。
扉をすべて開けるころにはその明るさにも慣れ、外の様子がよく分かった。
屋上は夏場よりは涼しい風が吹き抜けていた。
どこまでも広がる青と開放感が心地いい。